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当社は、バイオベンチャーにとって生命線である知的財産を、経営戦略に有効に生かすことを目的として、4月より、CIPO(Chief Intellectual Property Officer、最高知的財産責任者)を新設し、執行役員知的財産部長中本浩司を任命しましたのでお知らせいたします。
近年、知的財産立国に向けた政府施策等を背景に、企業の競争力、技術優位性、独自性、収益力強化を目的とする知的財産経営の重要性が日本企業の間でも強く認識されるようになりました。しかし、業種、規模、活動地域、企業の歴史、文化等の多くの要因により、その理解、解釈や対応は各社多様であり、特に正解はないのが実状です。
例えば、「知的財産で儲ける」ことを目標に、そのためのライセンス活動や訴訟を提起する流れも一部には見受けられます。しかし、「知的財産の有効活用」を前提とする限り、このような動きは短期的な収益向上はもたらしても事業の永続や発展につながる可能性は少なく、むしろ長期的には会社の活力低下や体力消耗を惹起する危険すらあり得ます。
当社の知的財産経営が目指すところは、あくまで知的財産に基づく自社事業の強化とサポートであり、知的財産を生かし、いかに一層の企業成長を図るかに尽きると考えております。
この方針は、当社の創業以来の基本的な考え方であり、例えば、自社技術の開発と事業化に向け、他社からの権利譲渡や実施権取得を積み重ねて取り組む当社のビジネスモデルも、その延長線上にあります。
しかしながら、知的財産経営を行うにあたり、いかにトップダウン経営が容易で小回りの効くベンチャーであっても、最高経営責任者であるCEO のみでは限界があり、十分な施策や効果は望めません。また、知的財産部も、知的財産への直接対応に特化してきた従来の業務遂行体制や思考方法では十分有効なサポートは期待できません。この意味で、CEO を補佐し、経営上の見地から知的財産経営に向けた具体的な施策を戦略的に企画、立案、提案、フォローアップする、知的財産の専門家が必要になります。また、この職務には、常に経営上の見地から、しかも将来を見通した発想が求められ、知的財産に関する知識、経験のみならず、研究開発、薬事、財務、IR など多面的かつ組織横断的な発想、判断や調整力も求められます。
また、とりわけバイオベンチャーにおいては、投資家やアナリストの方々を含め、広く外部の方々にバイオベンチャーの持つ多面的な企業情報、特に知的財産関連情報を公開・提供し、企業として目指す目標や現状を正しく伝え、評価して頂く必要があります。この観点より、昨年初めて知的財産報告書を刊行いたしましたが、さらなるニーズに適切かつタイムリーに応えるべく、知的財産報告書の一層の充実を進める方針でおります。
そこで当社では、この度、CIPO を新設し、当社の特性と独自性を生かした知的財産経営の強化を図ることにいたしました。
最近、大手企業においては、CIPO の新設も見受けられるようになりましたが、人員の限られたベンチャーにおいては、まだ知的財産専任組織を有する会社も少ないなか、当社は、今後もCIPO を中心に一層の知的財産経営を進め、企業価値向上に努めてまいります。 |